医療法人フェネスト 歯科タケダクリニック
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ガムの基礎知識
キシリトール
リカルデント
キシリ・リカルの違い
ポスカム
まとめ
近頃スーパーやコンビニエンス・ストアに行くと、「虫歯にならない」 と謳ったガムがいろいろ出回っています。こうしたガムは確かに虫歯を予防する効果がありますが、それを食べたからといって、決して虫歯にならないわけではありません。
大切なのは、やはり歯ブラシと食生活です。ガムはあくまで、その補助に過ぎません。
また一口にガムといっても作用や効果はまったく違い、それぞれ特徴があります。ですからガムの効果をよく知り、効果的に虫歯予防に活かしていきましょう。以下に代表的な3つを挙げますので、購入の際の参考にしてください。
[ 担当 歯科衛生士 森川実果 前川加世子 ]
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『キシリトール』という言葉は、皆さんもう各種メディアでお馴染みだと思います。
このキシリトールは、自然界に存在する天然の5炭糖の糖アルコールのひとつ。多くの果実や野菜の中に含まれ、また人体でも作られます。
天然素材の糖アルコールの中では最も甘く、砂糖に近い自然な甘さを有し、そのエネルギー量も砂糖の約75%(3kcal/g)。
工業的には、白樺などの樹脂から抽出されるキシラン・ヘミセルロースという物質に水素を加えて作られます。
一般的に虫歯は、虫歯菌であるミュータンスがお口に残った食べカスの中の糖を発酵させて酸を生成し、その酸が歯を腐食、脱灰現象を引き起こして歯を溶かすことが原因とされています。
ですが、糖といっても、実はいろいろな種類があります。虫歯になったり、肥満の元になる糖は
「ショ糖」
です。
一方、よく甘味料として使われてる糖は
「糖アルコール」
。
すなわち
キシリトールに代表される天然素材
です。しかも糖アルコールはカロリーが低く、ほとんど酸になることがありません。
従来、糖アルコールはショ糖の甘さに及びませんでした。
でもキシリトールが広く普及し、だんだん状況が変わってきたのです。
<自然界に存在するキシリトール>
品名
キシリトール食有量(mg/100gd5)
イエロープラム
935
イチゴ
362
カリフラワー
300
ラズペリー
268
ほうれんそう
107
たまねぎ
89
にんじん
86
バナナ
21
くるみ
14
日本歯科大学 HPより
海外では、キシリトールが虫歯を作らない人工甘味料として食品添加物に加えられ、日本より先に幅広く使われてきました。今ではアメリカ、カナダ、EC諸国など世界38カ国以上の国々で食品・医療品用途で認可され、FAO/WHO合同食品規格委員会からは
『一日の許容摂取量(ADI)を特定せず』
という、最も安全性の高いカテゴリーに属する添加物とされています。そして日本でも平成9年から食品添加物として認可、 盛んに「キシリトール入り」というキャッチフレーズが使われるようになりました。
さらにインシュリンに関係なく代謝されるので、血糖値にも影響を与えるがことなく、糖尿病の方も安心して摂取できます。
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では、キシリトールと同じように
「虫歯を作らない」
と言われているリカルデントとは何でしょうか?
これも糖アルコールの一種でしょうか?
実は大きな違いがあります。
リカルデントは牛乳タンパク由来の抗う蝕性物質
。つまり牛乳から作られているのです。牛乳は液体ですが、厳密には完全な液体ではなく、中に少し固形物も含まれます。この
固形物から作られたのがリカルデント(CPP−ACP)
です。
牛乳にカルシウムが多く含まれているのことは、皆さんも御存知ですよね。
リカルデントはこのカルシウムを沈殿させないで過飽和の状態にしてしまう、とてもユニークな特性を持っています。
そして歯面(エナメル質)の内側まで浸透し、歯の「再石灰化」を促進、初期の虫歯を内部から修復するのです。
虫歯初期の脱灰現象はカルシウムがなくなる段階で引き起こされますが、リカルデントが含まれるガムを噛んでいると、歯から溶け出したカルシウムやリンをすみやかに補うことができ、その穴を埋めるという仕組みなのです。
ですからリカルデント単体で使うよりも、フッ素との併用がより効果的と思われます。
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混同されやすい
キシリトールとリカルデント
ですが、その違いは一体どこにあるのでしょうか。この2つは、それぞれ目的が微妙に異なります。
キシリトール
は、
虫歯を発生させないガム
。普通のガムは噛めば噛むだけ虫歯になる可能性が高まりますが、キシリトールならいくら噛んでも大丈夫、というわけです。
ただ、キシリトールは確かに虫歯を起こしませんが、虫歯菌を殺すわけではありません。他に虫歯の原因があった時は、また別の問題になります。
一方の
リカルデント
は、そもそも代替甘味料ではないので、酸をうんぬんする、ということとはまったく無関係。上記したように、初期の
虫歯を修復するのが最大の目的
です。(甘味料としてはキシリトールは含まれます)
一部にキシリトールにも修復効果があるとも言われますが、その修復プロセスは、キシリトール・ガムの大量摂取によってたくさんの唾液が分泌され、唾液中のリン酸やカルシウムが歯面に沈着して再石灰化すると考えられます。
では最後に、キシリトールとリカルデントは、果たして虫歯の予防になるのでしょうか?
確かにこれらを摂取していると、虫歯菌の威力が弱まるという統計があります。しかしそこには唾液などとの複雑な因果関係があり、直接的効果が期待できるわけではありません。ですから現在のところ、
「虫歯の予防効果も多少あるらしい」
という程度に考えていた方が無難なようです。
しかも、キシリトールもリカルデントも栄養剤のようにそのまま食べるのではなく、必ずほかに添加物と一緒になっています。また当然のごとく、お口にはいろいろな食べ物が入ってきます。
ですから科学的に判明している効果が貴方のお口で現実のものとなるかどうかは、また別の問題なのです。
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キシリトール、リカルデントに次いで、最近になって出回りはじめたのがポスカムです。
このガムもリカルデント同様、糖アルコールではありません。
ポスカムの特徴は、
馬鈴薯でんぷんから作られたリン酸化オリゴ糖カルシウムPOs-Ca(ポスカ)
を含むガム。カルシウム不足によって脱灰が始まった虫歯に作用し、溶け出してしまったカルシウムやリンを補って、歯の再石灰を促進する点もリカルデントと同じです。
しかし製造メーカー(グリコ)によれば、ポスカムを噛むと唾液中のカルシウムが高い濃度で維持されるため、より再石灰化効果が高いとのこと。その再石灰化率は、メーカーの検査ではキシリトールガムの
5倍
もあるとされています。
ただし、唾液中のカルシウム濃度が高くなるということは、同時に歯石もつきやすくなるという弊害も考えられます。ですので当院においては、歯周病の危険性が高い方にはお勧めしておりません。
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当院で推奨している2銘柄について、要点を図にして比較してみました。
基本的な効果はほぼ同じですが、再石灰化を促す強さの差によって、多少適応対象を変えています。
何を期待するかによって、採り分けるのが良いでしょう。
リカルデント
ポスカム
成 分
CAPP(乳蛋白分解ペプチド)
ACP(非結晶リン酸カルシウム)
牛乳由来
POS-CA
(リン酸オリゴ糖カルシウム)
ジャガイモ由来
効 果
エナメル質脱灰抑制
耐酸性
再石灰化の促進
(キシリトールの約2倍)
エナメル質脱灰抑制
再石灰化の促進
(キシリトールの約5倍)
対 象
虫歯になりやすい人
まだ初期う蝕のない人
初期う蝕にかかってしまった人
備 考
牛乳アレルギーの方には不適
歯周病の方には不適
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